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うわっ、宇都宮の都市計画ヘタすぎ・・・?

タイトルから煽っているような内容ですが、最近発表された新規施設、施設移転についての内容がなかなか酷い内容だったため紹介します。

誤解の無いように先に言っておきますが、多くの宇都宮市の都市計画については有意義なものであると考えています。例えば以下のような都市計画です。

目次

市内で予定されている都市計画

タイトー工場跡地の住宅・商業施設(2025年)

一条中学校跡地の複合商業施設(2025年5月開業)

東部総合公園(2026年3月開設)

宇都宮市中央卸売市場リニューアル(2026年3月)

宇都宮駅西口20階建て複合ビル(2026年春)

宇都宮駅西口30階建て複合ビル(2029年)

宇都宮ブレックス新アリーナ(時期未定)

これらの計画は需要にマッチしており、どれも期待できる計画となっています。市の中心部にみならず、岡本駅周囲の再開発計画も計画されていて利便性が上がりそうです。

しかしながら、先日県から発表された新施設の内容は少し残念なものでした。

図書館・美術館・文書館の合築施設

宇都宮市中戸祭1丁目の県体育館の跡地に県立美術館、図書館、それに文書館を一体整備するため、県がまとめた構想の中間案について説明されました。

https://nordot.app/1142646191330656419?c=113147194022725109

栃木県の美術館、図書館、文書館(歴史資料文書や記録類を収集・保存する施設)を合築する計画です。それぞれを1カ所にまとめることで興味のある情報にアクセスしやすくなり、利便性が上がりそうです。

しかし、その候補地が最悪の立地となっています・・・

〒320-0057 栃木県宇都宮市中戸祭...
〒320-0057 栃木県宇都宮市中戸祭1丁目6−6−3 〒320-0057 栃木県宇都宮市中戸祭1丁目6−6−3

現在の県立美術館がある場所は西側延伸後の美術館前(仮)電停から北に徒歩1分程度の位置。

これが中戸祭に移転となると桜通り十文字電停(仮)から徒歩20分と大幅にアクセスが悪くなります。宇都宮駅からバスで15分で行ける場所ではあるのですが、中心市街地からやはり離れてしまっています。自家用車で利用する人を想定して、駐車場を確保できる栃木県体育館跡地が候補となったのでしょうが、果たして正しい選択なのでしょうか。

公共交通機関でのアクセスを重視すべき

岡山県の例

栃木県公表資料より引用

現在の栃木県立美術館・図書館の年間利用者は合わせて10万人ほどです。一方、岡山県の合計利用者数は95万人と圧倒的な差がついています。なぜ、ここまで利用者が多いのでしょうか。

アクセス
● 岡山県立図書館:「県庁通り」電停から徒歩5分
● 岡山県立美術館:「城下」電停から徒歩3分

路面電車に加えてもちろんバスでのアクセスも可能です。一方、駐車場は岡山県立図書館は174台、美術館は44台とそこまで多くはないんですよね。多くの方が公共交通機関を利用して訪問していることがわかります。もちろん他にも利用者が多い理由は多数ありますが、アクセスが容易であることは非常に重要な要素です。

宇都宮市では2030年以降に西側のLRT延伸が計画されています。公共交通機関でバスでしかアクセスできない立地というのは利便性や運転手不足などデメリットが大きいのではないかと考えます。宇都宮市が掲げている「コンパクトシティ」とも相反しています。

山梨県の例

また、近年ではアクセスだけでなく施設のデザインも重視されています。山梨県甲府市にある山梨県立図書館を紹介します。

山梨県立図書館の外観

甲府駅北口から徒歩3分で行ける施設となっています。アクセスが良い場所でさらに平面駐車場を150台分備えています。カフェや多目的スペース、自習スペースなどを備えており多くの県民に利用されています。甲府駅周辺には高校や大学が複数あるため、学生利用が多いのが特徴です。車社会の山梨県ではありますが、運転免許を持たない方も利用しやすくなっています。

デザインがどのようになるのかは未定ですが、県内利用者のみならず他県からも注目されるような施設を期待したいところです。実際に洗練されたデザインの石川県立図書館や隈健吾氏がデザインした長崎県美術館などは県外から足を運ぶ方も多くいらっしゃいます。栃木県内では那須塩原市の「みるる」が注目されていますね。

那須塩原市図書館「みるる」

他の候補地はないのか?

市内では県庁前の 栃木会館跡地(栃木県宇都宮市本町12-1)が延伸後のLRT、バスでもアクセスがしやすく候補地として良いと考えています。今後、LRTの西側延伸後は中心市街地のトランジットモール化が計画されており、自家用車乗り入れが困難となります。そうなった場合でも県庁前通りは車の通行は可能です。周辺道路も需要に応じて拡幅されるでしょう。宇都宮駅に近くLRTでも車でアクセスも容易な好立地です。

問題点としては駐車スペースがない事でしょうか。先程紹介した「みるる」の敷地面積は約4,000平方メートル、建築面積は約3,000平方メートルです。栃木会館跡地は約6,000平方メートルで十分広いように見えますが、計画されている施設は美術館と図書館の合築となるため更なる敷地の確保が必要と考えます。

栃木会館跡地の南側にあるNTT東日本宇都宮本町電話交換所の土地買収ができれば計画性が拡がりそうなのですが・・・予算面からやはり難しいのでしょうか。

サウンディング型市場調査の結果についてより引用

以前、この県有地の市場調査がされておりその時の計画は以下のようになっていました。

サウンディング型市場調査の結果についてより引用

県内の一等地がせっかく空いているので、有効利用して皆さんに愛されるような施設を作って欲しいですね。

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この記事を書いた人

2022年に宇都宮市に移住。変わりゆく街の様子や地域のトピックを気の向くままに記事にまとめています。

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