2026年開幕のBプレミア参入に向けて、新アリーナ計画が出ていましたが時期的に間に合わず事実上の延期となりました。代案として現ブレアリを改築することになりましたが、その理由や必要な条件など細かく解説します。
新アリーナ計画の延期
本日8月1日、衝撃的なニュースが流れてきました。宇都宮ブレックス新アリーナ計画が2026年シーズンに間に合わないことが発表されました。
宇都宮市とバスケットボールB1宇都宮ブレックスを運営する栃木ブレックスは1日までに、ホーム「ブレックスアリーナ宇都宮」(宇都宮市体育館)を改修する方針を固めた。(中略)同市と同社は条件を満たす新アリーナの建設意向を示していたが、今年10月の初回参入審査に間に合わないと判断した。
https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/936150
なぜ、新アリーナが必要なのか
そもそも、なぜ2026年までに新アリーナが必要なのか?その点について詳しくない方はぜひ過去記事を先にご覧ください。
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- Bリーグは2026年から新制度に移行
- 現在のB1(1部リーグ)は B.LEAGUE PREMIER(以降、「Bプレミア」と表記)にクラスが変わる
- 売上、平均観戦者数、アリーナ規模などがBプレミア参入の条件となる
- 試合戦績による昇格・降格は廃止となる
- 現在のブレックスアリーナのままではBプレミアに参入するための審査に通らない
Bリーグは新体制に移行しますが、ホームアリーナが参入条件を満たしていない場合はいくらチームの戦績が良くとも1部リーグに参加することができません。
宇都宮ブレックスは昨シーズンは東地区優勝、そしてシーズン中の全体成績1位という素晴らしい成績でした。しかし、現状のままでは2026年以降は強制的に2部リーグに降格となる危機的状況です。
そのため、新体制に間に合うように新アリーナを建設しようという話が市と宇都宮ブレックスで進められていました。
新アリーナの場所は駅東公園に決定していた
Bリーグの「宇都宮ブレックス」が整備を検討している新しいアリーナの建設場所について、今のホームアリーナに隣接する「宇都宮駅東公園」が候補地に上がっていることがわかりました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/utsunomiya/20230908/1090015928.html
駅東公園は現在のブレックスアリーナのすぐ隣の敷地です。宇都宮駅からも徒歩圏内、LRT駅東公園前電停から徒歩3分ほどの好立地です。
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市長「アリーナは民間民営で」
佐藤市長は新アリーナが「民設民営になる」と明言。「経済的社会的な効果を勘案して、市としても最大限支援する」としている。
https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/605525#google_vignette
アリーナについては民設民営の方針で計画されていました。これは民間事業者が施設設計や建設、維持管理、運営を行うことを指します。巨額となる維持費を自治体が自前で運用することは難しいため、民間に任せるという手法です。
他県の新アリーナを見ると決して珍しいことではなく、この方法は広く導入されています。
民設民営アリーナの例
FLAT HACHINOHE(青森県八戸市)
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民間事業者が建築・運営を総合プロデュースし、行政が必要な期間、部分だけを使用するという新しい官民連携の形を取っています。
PEACE STUDIUM(長崎県長崎市)
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民間民営で建設されたスタジアムで、この周囲に商業施設やホテルなど様々な施設が集まる利便性の良いスタジアムとなっています。
他にも多数のアリーナやスタジアムが民間民営で建設されており、調べれば山ほど出てきます。
宇都宮市は民間民営での計画が一旦白紙に
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さて、当たり前のことではありますが民間民営の場合は当然スポンサーが必要となります。今回、宇都宮市は1年前から企業Aをメインパートナーとして新アリーナ計画を進めていたようですが、最終段階になって企業側から計画をストップしたいと申し出があったようです。
理由としては円高による建設費・人件費の高騰とのことですが、このタイミングで白紙になってしまったことでBプレミア開幕までに新アリーナ建設は不可能となってしまいました。
ここでの懸念点は、費用高騰については全国的なものであり、他県では現在進行系で多くのスタジアムやアリーナの建設が新順調に進められています。
なぜ、宇都宮市は計画を断られてしまったのか?資金面以外に理由はなかったのかどうしても気になってしまいます。
急遽、現ブレックスアリーナの延命処置へ
現在のブレックスアリーナを改築して無理やりBプレミアの加入条件を満たさなければならないことになりました。もちろん、Bプレミアへの参入を諦めれば不要なことなのですが、強豪チームであるがゆえ2部リーグに移行したくないのは十分理解できます。個人的にもやはりBプレミアで強豪チーム相手に対戦を見たいという気持ちがあります。
しかし、Bプレミア参入審査を通過する為には古民家をレストランにリノベーションするくらいの大幅なブレアリの改築が必要不可欠です。もうすぐ築50年を迎える老朽化した施設ですが、ブレックスの1部リーグ残留のために延命処置をする事に決まったのです。
長くなってしまったので、今回はここまで。まだまだ書き足りないのですが、近日中に続編で記事を書きます。Bプレミア参入に必要な詳細な条件や、今後の課題など取り上げていきます。
ブレックスが好きなので新アリーナ建設を希望していますが、そこにはいくつかの壁があることを再認識しておく必要があると感じました。一筋縄にいかなくとも、宇都宮市とブレックス運営が協力して夢の新アリーナを実現してほしいです!