ダイヤ改正の概要
・平日は各駅停車の所要時間が44分に短縮
・朝ピーク時は快速運行導入で42分に短縮
・朝・夕ピーク時間帯の増便
混雑時間帯の運行本数が増え、所要時間も現行の48分から短縮されます。ますます便利になりそうですね。それぞれの内容について細かく確認していきましょう。
平日の各駅停車の所要時間短縮
なぜ、平日のみ所要時間が短縮されるのか?これにはICカード利用率が関連しています。
特に朝夕の混雑時はICカード利用率はより高くなっているでしょう。現金支払いは先頭車両の1カ所でしか行えないため、現金利用客が多い休日は通常よりも降車に時間を要してしまいます。
平日は日中利用客は多くないため、休日に混雑する宇都宮大学陽東キャンパス電停もそこまで混みません。車両の最高速度は変わらないものの停車時間を短くすることで、全体で4分短縮はすることができたというわけです。
快速運行の導入
ダイヤ改正により、路面電車では珍しい快速運行が導入されることになります。平日は宇都宮駅東口から多くの通勤者が終点まで利用します。工業団地への通勤者にとっては快速導入による時間短縮は朗報でしょう。
快速の停車駅
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前回記事「ライトライン快速の停車駅はどこ?勝手に予想」で紹介した路線案内で○の大きい電停に停車することとなりました。市街地は多くの駅を通過しますが、鬼怒川を渡って清陵高校前電停以降は各駅停車となります。多くの方の想よりも多くの駅に停まる結果となりました。
運行時間は各駅停車よりも2分だけ早い42分となっています。短縮時間はたったの2分ということでインパクトは少ないかもしれません。LRT開通前は終点まで37~38分の計画でしたので、5分ほど時間が伸びています。
所要時間は40分以内を期待していた
快速42分でも現行から6分早くなるのは体感として大きいでしょう。しかし、40分を切って欲しかったというのが個人的な感想です。
以前、沿線住民に聞いたアンケート結果では「通勤時間の短縮が見込めない」というのがLRTに移行しなかった1番の理由でした。電停まで何らかの手段で移動して、そこから乗車する手間がかかってしまいます。その手間を帳消しに出来るような「圧倒的な速達性」というメリットがあれば、LRTへの移行はさらに進むはずです。
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快速運行では停留所を最低限に絞った思い切った運行をして「終点まで所要時間40分以内」を期待していただけに、少し残念な発表でした。しかし、これは試行錯誤の途中経過に過ぎません。今後の利用状況を鑑みて、運行内容は変わる可能性があります。実際の利用状況に応じたアップデートに期待したいところです。
快速の運行本数は2本
快速電車は1日2本、朝のピーク時の下りにのみ導入されます。6時台後半と7時台に1本ずつの予定となっています。1日2本の快速というのは少ないように感じますが、利用状況確認のためにも慎重に導入し、順次増発していくのではないでしょうか。
17編成しか車両がないため増発することも簡単ではないですし、そもそも開通後たった半年で快速を導入することに踏み切っただけでも快挙だと思います。
快速の時間については未発表です。東京→宇都宮着の新幹線が6:53、7:18に到着するのでそこからの乗り換えを見越して6:59、7:24発の快速が登場するのではないかと予想しています。ちなみにLRT開通前は本田技研工業が7時15分、30分、55分に東口から企業通勤勤バスを運行していました。こちらは現在は廃止されています。
追い越し線の本領発揮はしばらく先に
「平石」「グリーンスタジアム前」電停に路面電車として初めて導入された追い越し線ですが、今回の快速では使われることはありません。今後快速が上記の電停を通過することになれば使われるでしょうから今後に期待です。
追い越し線も全く意味がないわけではなく、現在も上記駅で折り返しをする便で利用されています。サッカーJ2の試合がグリーンスタジアムで行われる際にはグリーンスタジアム前行の臨時便が出ますので、活躍することでしょう。夏休みの宇都宮花火大会などの大型イベントでも活躍しそうですね。
遠近分離、乗客分散はイマイチ
朝のピーク時間帯でのLRT利用者の利用区間は大きく2つに分けれています。7時台前半の乗客の多くは宇都宮駅東口から乗り、①清原工業団地周辺、②芳賀・高根沢工業団地周辺の主に2カ所合計で8割程度が降車します。
①清原工業団地周辺
ほとんどの方がグリーンスタジアム前電停で下車します。キヤノンをはじめデュポン、カルビーなどの企業工場が集まっている地域となっているためです。
②芳賀・高根沢工業団地周辺
かしの森公園電停、終点の芳賀・高根沢工業団地電停どちらも多くの方が降車します。本田技研工業は非常に広大であり、かしの森電停で降りた方がゲートに近い社員も多く、こちらも実は利用客が多いです。
快速の役割としては①②の乗客の分散が効果的ではあるのですが、今回の快速はいずれの電停も停車します。快速による遠近分離ができていない印象で、非常に混雑してしまうのではないでしょうか。4月になったら実際の混雑具合を確認したいと思います。
朝・夕ピーク時間帯の増便
当初の計画ほどの運用頻度ではありませんが、朝・夕のピーク時に増便されることになりました。
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朝のピーク時は快速が2本追加されて、各駅停車は現在の本数維持といったところでしょうか。
夕ピーク時の増便は非常に嬉しいですね。18時台は買い物・通勤帰りの客で非常に込み合う時間帯です。そのため、陽東3丁目電停、峰電停では積み残しが発生することもありました。本数が少なかった20時台の便の倍増も嬉しいです。
余談
ダイヤの詳細な発表は後日となっています。
個人的に気になるのは22~23時台の深夜便です。駅周辺で飲んだサラリーマンが下り方面を利用しているのをよく見かけます。逆に上りは利用客はわずかながらいます。現在は22時台の芳賀・高根沢工業団地からの上りは平石止まりなので最悪の場合、平石電停で40分以上待つことになります。本来はこれらの便は本来は車庫に戻る回送列車なので乗り継ぎが悪いのは仕方ないのかもしれません。この点は今後改正されるのでしょうか?今後の発表を待つことにします。
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